浪江町は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で休止している請戸海水浴場について、将来の再開を目指して検討に入った。町内の関係機関でつくる団体が今夏から、請戸海岸で海に親しむイベントを開催する予定で、海開きの再開に向けた機運を高めていく考えだ。
請戸海岸は請戸漁港の南側にあり、美しい砂浜が続く。しかし、請戸地区は震災による津波で甚大な被害を受け、沿岸部は住宅を新築できない災害危険区域となった。
海水浴場の開設に向けては、がれきや流木などが散乱したままの海岸の環境整備が必要となる。また海水浴場の運営は震災前まで地元住民が担っていたが、住民の多くは震災と原発事故の影響で避難しており、海岸を訪れた海水浴客らの安全確保には監視体制の構築が課題となっている。
このため関係団体などでつくる実行委員会は9月に請戸海岸でイベント「浪江浜まつり」を開催する。ビーチクリーンやビーチフラッグなど砂浜を活用したさまざまな遊びを企画し、地域住民が再び請戸の海に親しむ機会をつくる予定だ。