怪獣をやっつけ人類を救うヒーロー、ウルトラマンにも、越えられない壁があった。地球上で活動できる時間が3分間と限られていたこと。毎回のように、怪獣が暴れまくっているのに胸のカラータイマーが点滅し出しハラハラさせられた
▼スポーツの世界には、3分を基本単位にした競技がいくつかある。よく知られているのは、相手ガードのわずかな隙を見逃さず、正確にパンチを繰り出すボクシング。わずか一発で形勢が逆転することも珍しくないので目が離せない
▼レスリングやフェンシングも3分単位で試合が行われる。休憩を挟まずに戦い心身が耐えられる、ぎりぎりの時間なのだろう。その限界を突き抜けられる力を蓄えて臨むからこそ勝利を手にできる
▼3分間の単位が「なにかを成し遂げるための最小単位」として本能に刻み込まれている―。科学的にはまだ立証されていないが、そう考える研究者も少なくないという(大﨑章弘監修「たった3分間のすごい世界」えほんの杜)
▼スポーツの祭典は、開会式に先だち早くも競技が始まった。立ちはだかる壁は限りなく高く厚い。そこに挑む姿にハラハラドキドキする日が続く。凡人は睡眠の壁をどう越えればいいのやら。