時代がつくる人間がいるのかもしれない。農民から幕臣、官僚、そして「日本資本主義の父」となった。激動の世を生き抜いて、今夏、新1万円札に登場した渋沢栄一である ▼歴史がくれた幸運だろう。仕える徳川幕府が崩壊するころ、パリ万博を視察するため渡仏していた。ちょんまげも抵抗なく切った。城山三郎は小説「雄気堂々」にこう記す。「心を海綿のようにして文明を吸い取ろうとする栄一であった」 ▼夜のセーヌ川に選手を乗...
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