• X
  • facebook
  • line

(32)出会った仲間たち 世界広げてくれる存在

09/05 08:35

故郷のブルターニュの夏とは「海を楽しむ」ことです。ただし…気温が20度しかなくびっくり。日本とのギャップが大きすぎました。小さい頃は暑い夏だった記憶がありますが、毎年天気がおかしくなっています
コスモスが咲いていました。フランスにもコスモスがあるんですね(知りませんでした)。故郷では生物多様性を守るため、自然の「ワイルドなエリア」を作ったようです
兄や親と散歩したときの写真です。草の背が低く、日本と景色が違いますね

 こんにちは! エミリーです。

 皆さん、台風7号は大丈夫でしたか? 実は、このコラムはフランスで書いています。家族のイベントがあって、15年ぶりに会える親戚もいるので、参加することにしました。

 うれしい気持ちがいっぱいですが、心配もあります。長い間農園から離れるのは初めてですし、台風が来るので不安が多かったのですが、大熊町の数人の仲間が順番で毎日畑も猫も見てくれています。

 仲間たちは、私がどれぐらい農園を大事に思っているのかを理解してくれて、私の心配な気持ちを軽くするために、写真や動画を送ってくれます。おかげさまで気が楽になり、家族と笑顔で話すことができました。

 何かあったら助けてくれる仲間は、作ろうと思って作れるものではないですね。感謝と尊敬を持ちながら大事にする関係だと思います。バランスが上手く取れないときもあります。ですが、完璧になんでもできる人はいないので、正直な心を見せれば、仲間と信用しあえるのではないでしょうか。

 横浜に住んでいたころ、目の前には当たり前のように、たくさんのものがありました。例えば、食べ物と建物。福島県に来てから、会津や浜通りの農家さんと仲良くなり、いろいろ理解することができました。自分がやりたい農業と違う方法もありましたが、大事なポイントは、自分の価値と合うことをやることだと思います。

 大熊町に来たときに「木材の世界」を初めて知りました。それまでは、日常生活の中で木材について考えるきっかけや、タイミングがありませんでした。どこに住んでいるかは、とても大切ですね。

 森の木を育てる人、木を切る人、製材所に丸太を運ぶ人、製材所の人、大工さん。家や物ができるまで、たくさんのステップや人が必要です。

 私はもともと木を切るのは好きではありませんでしたが、それぞれのみなさんが木に思いを込めて、森から家や物を作るのは尊敬するべきことなのだと分かりました。

 自分に関係があることに集中するのは当たり前ですが、ときどき周りを見るといろいろなことを知ることが増えて、勉強になったり、見方を変えたりできます。

 福島県に来てから、会津、白河、郡山、いわき、楢葉、大熊などの仲間ができて、自分の世界が今まで以上に広がりました! いつもありがとうございます。では、また来月!

     ◇

 エミリー イラストレーター。東京などで語学講師として活動し、2021年2月から県内に移住。趣味は散歩。猫好き。自身のサイト「メリエマリス」で、赤べこのイラストや県内スポットの紹介文とイラストマップなどを公開。オリジナルグッズも多数展開中。

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line