東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しを巡り、東電は5日、取り出し装置でつかんでいるデブリの放射線量が基準値を下回ったため6日に回収に向けた作業に入ると発表した。作業は早ければ7日にも終わり、試験的取り出しが完了する見通し。
東電は5日、デブリの放射線量を装置の収納箱の外から計測した。20センチ離れた距離の放射線量に換算すると基準値の毎時24ミリシーベルトを下回る同0.2ミリシーベルトだった。
東電は作業員の被ばく線量などへの影響は少ないとして装置でつかんでいるデブリを回収して分析の試料とする。6日はつかんでいるデブリを真下に配置している直径約10センチの八角形の箱に入れる。7日以降に収納箱から取り出す予定だ。
試験的取り出しは8月22日に始まった。2度の中断を経て10月28日に再開し、今月2日に原発事故後初めてデブリを格納容器外に出した。