ホンダの関連会社で自動車部品開発、製造などのエイチワン(さいたま市)は、郡山市の郡山事業所での生産と開発をほかの国内拠点に移管する。エイチワンによると、一部機能が残る可能性はあるものの生産の大半を終了する見通しで、従業員290人(10月末時点)についてはほかの事業所への異動と出向などを中心に対応する。
エイチワンが14日までに発表した。主要な供給先だったホンダの狭山工場(埼玉県)の閉鎖に伴い収益性が悪化したため、国内拠点を再編して生産体制を見直すのが目的。2026年3月末をめどに移管を完了させる方針だ。移管後は郡山の事業と資産の売却、処分を検討するとしている。
郡山事業所には自動車用フレームを生産する郡山工場と、研究開発を行う開発技術センターがある。このうち、郡山工場の従業員は地元雇用が中心という。エイチワンは「意向調査を現在行っており、異動が難しい従業員については再就職などを支援していく」としている。
郡山公共職業安定所(ハローワーク郡山)は「状況を確認した上で(再就職などの)支援が必要かどうかを検討する」としている。
郡山事業所は、エイチワンの前身となる本郷製作所が1971年に設置した。移管後のエイチワンの国内生産拠点は前橋工場(前橋市)、太田工場(群馬県)、亀山工場(三重県)、湖南工場(滋賀県)、豊後高田工場(大分県)の5拠点となる。