福島大大学院食農科学研究科1年の米田琴音さん(22)が日本農芸化学会東北支部の第160回大会で学生優秀発表賞を受賞した。「毛髪イメージングから食と健康を解明する」と題し、毛髪1本からストレスの度合いを把握したり、緑茶に含まれるテアニンの作用を可視化したりする研究について発表し、高く評価された。
大会は11月29日に青森県の弘前大で開かれた。東北の学生59人が4部門に分かれて発表し、7人が優秀発表賞に輝いた。米田さんは食品・生物科学部門で唯一の受賞者だった。
米田さんは、指導教員の平修教授が開発した毛髪1本からストレスの度合いを可視化する分析方法「ナノ微粒子質量分析」を用いた研究に取り組んでいる。毛根には毛細血管があり、血液から体の情報が毛髪に移ることが知られている。日々伸びる毛髪には1日ごとの体の情報が記録されるため、日々のストレスの度合いを継続的に把握したり、初期の段階からストレスを感知して将来うつになる危険性を予測したりできる。
「毛髪1本から体調を可視化することはいまだチャレンジングな内容で、学会でどのように聞いていただけるか緊張して臨んだ」と米田さん。発表に当たって「研究室の先輩や後輩にアドバイスをもらいながらブラッシュアップしていった」といい「自分だけの力では賞をいだたけなかった」と仲間に感謝。「頑張りたいという思いが強くなった。ワクワクするような研究を続けていきたい」と語った。
