岸田文雄首相は12日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)が開催されるイタリア南部プーリア州に向け、政府専用機で羽田空港を出発した。昨年5月のG7広島サミットで確認した「法の支配に基づく国際秩序の維持」へ引き続き主導役を果たす決意を表明。中国による威圧的行動をけん制し「核兵器のない世界」の理念継承を図る。サミットは13日に開幕する。
首相は出発に先立ち官邸で記者団に、広島サミットを踏まえて自由で開かれた国際秩序を重視して討議に臨む考えを強調。「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国との連携にも意欲を示した。
広島サミットでは東アジアの安全保障を重要テーマに取り上げた。プーリアサミットも「インド太平洋」がテーマの一つ。首相は沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵入や台湾への圧力、南シナ海でのフィリピン船妨害といった中国の威圧的行動に反対する姿勢をG7首脳間で共有したい考えだ。
首相はイタリア滞在中、インドのモディ首相らと個別に会談。ウクライナのゼレンスキー大統領との会談も調整している。