【ジュネーブ共同】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は13日、紛争や迫害で国内外に退避を余儀なくされた人々が2023年末に1億1730万人に上ったと発表した。過去最多だった22年末の1億840万人を更新し、12年連続の増加となった。23年4月に軍事衝突が始まったスーダンや、同10月以降イスラエルが攻撃を続けるパレスチナ自治区ガザが増加要因となった。
グランディ難民高等弁務官は「国際地政学に変化がなければ増え続けるだろう」と指摘した。21年2月にクーデターが起きたミャンマーでの戦闘激化も目立っており、今年4月末時点で1億2千万人を超えたと推計している。
難民と、難民同等か国際的な保護を要する状況にある人は、4340万人に上る。出身国は多い順にアフガニスタン、シリアが続き、いずれも640万人。政権が独裁色を強めるベネズエラが610万人、ロシアの侵攻を受けるウクライナが600万人だった。
退避先ではイランが最大で380万人を受け入れている。トルコ、コロンビア、ドイツが続く。