監視委、三菱UFJ銀の処分勧告 顧客企業情報10件を無断共有

06/14 21:29

 顧客企業の未公開情報を無断で共有したなどとして、証券取引等監視委員会は14日、金融商品取引法違反の疑いで、三菱UFJ銀行と系列の証券2社を処分するよう金融庁に勧告した。三菱UFJ銀の代表取締役(当時)が違法性を疑いつつ、専務執行役員(同)から「企業側が情報共有を認めている」という趣旨の報告を受け、十分に確認しないままうのみにしたと指摘。企業側は情報共有を認めていなかった。違法に共有された情報は10件。

 証券2社は三菱UFJモルガン・スタンレー証券とモルガン・スタンレーMUFG証券。監視委は違法な情報共有の背景について「銀行、証券会社の連携を推進するにあたり、法令順守の意識が希薄だった」と指摘。金融庁は業務改善命令などの処分を検討する。三菱UFJフィナンシャル・グループは「関係者にご迷惑や心配をかけていることをおわびする」とのコメントを出した。

 監視委は2021~23年に顧客企業9社に関する計10件の情報を違法に共有したと認定。

 同様の情報共有は22年に三井住友フィナンシャルグループでも発覚。

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