【ファサーノ共同】先進7カ国(G7)は14日、イタリア南部プーリア州ファサーノで首脳会議(プーリアサミット)の2日目の討議を行った。中国を巡る諸課題や北朝鮮の核・ミサイル問題、拉致問題への対処での連携を確認。東・南シナ海での中国による威圧的行動をけん制した。中国の過剰生産や経済的威圧への対応、サプライチェーンの強靱化に向けて協力して取り組む方針で一致した。
ローマ教皇フランシスコはG7サミットに初めて出席し、AIの兵器利用に懸念を表明、規制強化を求めた。G7首脳は一連の討議終了後、成果をまとめた首脳声明を採択する。
首脳声明では、中国による沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵入や南シナ海でのフィリピン船への妨害行為を巡り「力や威圧による一方的な現状変更の試みに強い反対」の姿勢を示す方向だ。台湾海峡の平和と安定の重要性も再確認する。同時に中国と建設的かつ安定的な関係を構築する必要性も申し合わせる。
岸田文雄首相は討議で「インド太平洋地域と欧州の安全保障は不可分一体であり、G7間で連携を深めたい」と強調した。