【モスクワ共同】米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は15日、ロシアがウクライナに侵攻した直後の2022年3月から4月にかけての停戦協議で両国が合意を目指した条約の草案全文を入手したと報じた。協議内容は交渉参加者が明らかにしていたが、同紙によると草案全文が明らかになったのは初めて。
交渉に関与した複数当事者が本物と認めたとしている。両国が直接交渉を再開した場合、当時の草案で提起された問題は引き続き焦点になると同紙は指摘した。
22年4月15日時点の草案前文で英国、中国、ロシア、米国、フランスの5カ国がウクライナの安全を保障するとし、第1条にウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟断念を意味する「ウクライナの恒久的な中立化」を盛り込んだ。
同紙によると、最大の問題は第5条にロシア側が挿入した「ウクライナが攻撃された場合には全ての安全保障国が対応を承認しなければならない」との内容の条項だった。
ロシアのプーチン大統領は今月14日に独自和平案として併合4州からのウクライナ軍の撤収を主張した。