イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続け、子どもを含む多数の市民が殺されている中、岐阜県八百津町の杉原千畝記念館が平和や人権について再考するきっかけの場所となっている。新型コロナウイルス禍で激減した海外からの来場者も再び増えつつあり、昨年度のイスラエル人入館者は千人を超えた。
岐阜市内から車で1時間ほどの緑豊かな場所に記念館は立つ。八百津町は、第2次大戦下、ナチス・ドイツの迫害から逃れたユダヤ人難民を「命のビザ」で救ったことで知られる外交官杉原千畝の故郷。その功績を後世に伝えるため2000年に建設された。
俳優の唐沢寿明さんが主演した映画「杉原千畝 スギハラチウネ」が公開された15年度には、国内外からの来場者は5万2千人を超えたが、コロナ禍の影響で21年は約8200人になり、海外から来た人はほとんどいなかった。昨年度の外国人入館者は約1300人に増え、うち大半をイスラエル人が占めた。