16年間にわたってドイツを率いたメルケル前首相の回顧録が11月に出版される。タイトルはドイツ語で「自由、記憶1954―2021」。社会主義体制下の旧東ドイツ出身のメルケル氏は出版に向けた声明で「自由とは何か。この問いは私の人生のテーマだ」と述べた。
2021年に首相を退任し、政界を引退してからは公の場での発言は少なく、7月に70歳になるのを前に回顧録に注目が集まっている。
ドイツの出版社によると、約700ページの回顧録はメルケル氏と長年の政治顧問との共著で11月26日に発売。30カ国以上で出版される。日本ではKADOKAWAが出版権を獲得している。
旧東ドイツでの子ども時代から、ベルリンの壁が崩壊した1989年に身を投じた民主化運動、その後の政治活動まで半生を振り返る。
メルケル氏は54年生まれで、2005年にドイツ初の女性首相に就任した。多国間協調を重視し、難民危機や債務危機など世界的な問題への対応を主導して「欧州の盟主」と呼ばれた。