富士フイルム富山化学は24日、新型インフルエンザ薬「アビガン」を、マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の治療にも使えるようになる承認を取得したと発表した。世界初のSFTS治療薬が登場することになる。
SFTSの致死率は約27%と高い。主にウイルスを持つマダニにかまれることで感染する。6~14日の潜伏期を経て発熱や下痢などの症状が出る。患者は西日本に多い。ペットからの感染が報告されているほか、患者を診察した医師への感染例も3月に公表された。
アビガンのSFTSへの治療応用は愛媛大、長崎大、国立感染症研究所が中心に実施した臨床研究を経て進められた。