中央最低賃金審議会は25日、最低賃金の改定目安額の議論を始める。現在の最低賃金の全国平均時給は1004円で、物価高騰や春闘による賃上げの動きを反映させる。過去最大の43円増となった2023年度を上回る上げ幅の水準を軸に労使の調整が進む見通し。7月下旬にも目安額をまとめる。
23年度は10月の改定後、政府が目標とした千円の大台に初めて到達した。岸田政権は「30年代半ばまでに1500円」の新目標を表明。早期達成を目指す方針だ。
最低賃金は毎年度改定される。中央審議会は労使代表者らが数回協議し、都道府県ごとの目安額を提示。それを参考に都道府県の地方審議会が8月ごろ実際の改定額を決定。10月以降、順次適用され全ての働く人が対象となる。現行方式となった02年度以降、地方審議会も経た全国平均額は毎年引き上げられている。
5月の全国消費者物価指数は2・5%増で、物価の高騰が続く。春闘では大企業と中小企業の賃上げ率に差もあり、政府関係者は「格差を是正するためにも最低賃金の大幅な引き上げが必要」と指摘。