環境省は28日、国の特別天然記念物に指定されている絶滅危惧種のニホンライチョウの野生個体からの人工授精によるふ化に国内で初めて成功し、ひな2羽が誕生したと発表した。同省は「野生集団への影響を最小限にしながら、遺伝子の多様性を確保できる重要な技術」としている。
環境省などによると、5月25、26日に北アルプス乗鞍岳に生息する野生の雄5羽から精子を採取することに成功。うち、3羽分の精子を富山市ファミリーパークで飼育している雌5羽に人工授精した。6月5日までに12個の卵が生まれ、うち2個がふ化した。ひなはいずれも体長5、6センチ程度で元気な様子だという。