島根県出雲市の県立古代出雲歴史博物館は、旧家の屋根裏や蔵で見つかった江戸から明治期に寺社が発行したお札を紹介する企画展を開催中だ。古いお札は燃やすなどして新しく授かるのが一般的だが、長年保管したケースを紹介。同県雲南市の蔵からは約千枚のお札が木箱から見つかり、「たくさん集めると御利益がある」との信仰心がうかがえるという。
展示したのは島根県内の寺社以外に、三重県の伊勢神宮や京都府の祇園社(現八坂神社)、和歌山県の高野山が発行したお札など。松尾充晶学芸企画課長によると、江戸時代の人々は、旅先で参拝して持ち帰ったほか、寺社の布教者「御師」が全国各地で配り歩いたものを手にした。