旅客機燃料不足に知事会が危機感　「インバウンド取り逃がす」

　旅客機用の燃料が全国各地の空港で不足している問題を巡り、全国知事会は２日、斎藤健経済産業相に安定供給を求める緊急要望を提出した。国際線の増便や新規就航に支障が出ており、代表して出席した新潟県の花角英世知事は、インバウンドが回復する中「取り逃がしている」と危機感を示した。不足の原因を早急に特定し、国として対策を取るよう要求した。

　要望の提出には、成田空港を抱える千葉県の熊谷俊人知事も参加した。熊谷氏は、成田では海外の航空会社が増便や新規就航を１週間当たり５０便以上見合わせていると説明。「大きな痛手だ。アジアの空港競争に打ち勝つ上で将来の禍根になる」と訴えた。

　斎藤氏は「増便に支障が出ていることは大変憂慮している。スピード感を持って対応を検討したい」と応じた。

　既に北海道や広島県の空港でも増便できないなどの具体例が明らかになっている。要望提出には対策を求める静岡、広島、熊本３県の関係者も出席した。知事会は要望の前に実態を調査したが、具体的な影響がある自治体名は公表しなかった。