日本と太平洋の島しょ国・地域が16~18日に東京で開く「第10回太平洋・島サミット」の首脳宣言の原案が判明した。中国の覇権主義的行動を念頭に「世界のいかなる場所であれ、力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対する」と明記した。岸田文雄首相は開発協力のため、今後3年間で600億円以上の支援を表明する方向。太平洋地域で影響力を拡大する中国をけん制し、島しょ国の引き寄せを狙う。複数の関係者が13日、明らかにした。
原案では、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に言及。国際原子力機関(IAEA)と連携し、人の健康や海洋環境に影響を及ぼさないとの日本政府の約束を歓迎しつつ、今後のサミットで常に議題とする方針も盛り込んだ。
世界の平和と安定、自由や民主主義、持続可能な開発、法の支配、人権などの原則に触れ、国連憲章を含む国際法に沿った「自由で開かれたルールに基づく国際秩序」の重要性を共有した。いかなる侵略戦争にも反対し、一方的な現状変更による領土取得は合法的と認めないと指摘した。