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終末期「死の援助」法案を可決 フランス下院、秋に上院審議へ

2025/05/28 08:10

 「死への積極的援助」を導入する法案を賛成多数で可決したフランス国民議会=27日、パリ(AP=共同)

 【パリ共同】フランス国民議会(下院、577議席)は27日、終末期患者に厳格な条件の下で致死量の薬の投与を認める「死への積極的援助」を導入する法案を賛成多数で可決した。自殺ほう助や安楽死を禁じていた従来の政策の転換に向けた一歩。秋に上院で審議される予定で、法制定までなお時間がかかる見通し。フランスメディアが報じた。

 賛成は305、反対は199。自身で死を決断できる能力があり、重篤で不治の病気に冒された終末期の患者で、苦痛を和らげることができないフランス国籍またはフランス在住外国人の成人のみが「死への援助」を受けることができるとしている。

 患者は自ら薬を投与する必要があり、身体的に不可能の場合にのみ例外的に医師または看護師が投与できる。

 マクロン大統領は2022年、人生の終え方について幅広く議論する市民会議の設置を決定。市民の過半数が死への積極的援助に賛同したことを受け、法案を作成するよう政府に求めていた。ただ多くがカトリック教徒のフランスでは宗教関係者や医療従事者らから反対の声も根強い。

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