【ハーグ共同】北大西洋条約機構(NATO)は24~25日、オランダのハーグで首脳会議を開く。欧米の集団防衛体制に消極的な姿勢を示すトランプ米大統領が加盟国に防衛費増額を求めたことを受け、軍用インフラ整備なども合わせた防衛支出を国内総生産(GDP)比5%とする新たな目標で合意する見通し。
米軍のイラン核施設攻撃を巡る欧米首脳のやりとりも焦点となる。ルッテ事務総長は23日の記者会見で「イランは核兵器を開発してはならない」と述べ、核保有を許容しない姿勢を強調した。
現行の防衛費の目標はGDP比2%。トランプ政権は同5%にするよう要求したが、実現困難な加盟国が多く、ルッテ氏はウクライナ侵攻を続けるロシアの脅威を訴え、同3・5%に引き上げることを提案。さらに道路・港湾施設の拡充やサイバー対策など、軍事関連のインフラ整備に同1・5%を充てる。
ウクライナ支援は防衛費問題の脇に追いやられる形となった。ウクライナのNATO加盟問題も、ロシアとの和平交渉を仲介するトランプ政権に配慮し首脳宣言で言及しない公算が大きい。