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「輪廻転生」制度を継続へ ダライ・ラマ14世が声明

2025/07/02 17:06

 ダライ・ラマ14世

 【ダラムサラ共同】チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(89)は2日、後継者について自身の死去後に生まれ変わりを探す「輪廻転生」制度を継続するとの声明を発表した。中国の介入を受けずに後継者を選ぶ方針も改めて表明した。後継者の決定権を主張する中国の反発が見込まれる。

 声明は、次のダライ・ラマを認定する唯一の権限はダライ・ラマの事務所にあるとし「他のいかなる者にも、この問題に干渉する権限はない」と主張した。「伝統に従って(生まれ変わりの)捜索と承認の手続きをするべきだ」とも記載した。

 制度存続の理由について「チベット亡命政府議会の議員や中国を含むアジアの仏教徒たちから、継続を求める要望が寄せられた」ことを挙げた。「チベットからも各種ルートを通じてメッセージを受け取った」という。

 亡命先のインド北部ダラムサラで6日に90歳の誕生日を迎えるダライ・ラマは2011年、90歳くらいになったら輪廻転生制度継続の要否を再検討したいと表明。中国の介入を避けるため、存命中の後継者指名や制度の廃止に言及したこともあった。

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