日銀の植田和男総裁は3日、大阪市での地元経済団体との懇談会で、経済や物価が想定通り推移すれば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」と述べ、利上げ路線を継続する方針を改めて示した。ただ利上げ時期は明言を避け、米国の経済動向や関税政策の影響、国内の食料品価格を含めた物価動向を点検し「予断を持たずに判断していく」との説明にとどめた。
植田総裁は懇談会後に記者会見し、米関税政策が日本経済に及ぼす影響に関し「不確実性は依然としてかなり大きなものが残っている」として、注意深く分析する考えを示した。
2026年の賃上げに関しては「米国経済が今後どういう経路をたどり、日本企業の収益にどういう影響を与えるかということに関する情報は少し不足している」と述べ、現時点で動向を見極めるのは難しいとの認識を示した。日銀は追加利上げ判断に際し、賃金動向も重視している。
植田総裁は懇談会で、米経済に関し「依然として不確実な要素が少なくない」と指摘し、注視する考えを示した。