最大格差3・13倍の「1票の格差」を是正しないまま実施された7月の参院選は投票価値の平等に反し違憲だとして、各地の有権者が選挙無効を求めた訴訟の判決で、東京、名古屋、高松の3高裁は30日、いずれも「合憲」との判断を示し、請求を棄却した。
参院選の1票の格差は2019年選挙3・00倍、22年選挙3・03倍と推移している。東京高裁の宮坂昌利裁判長は、看過しがたい拡大傾向だと指摘。現時点で「違憲状態」とは判断できないとしつつ「(是正を)先延ばしにするなら違憲判断も免れない」と言及した。参院改革協議会が、是正に向け結論をまとめるとした次回28年選挙を「デッドライン」と述べた。
一方、名古屋、高松両高裁は格差が「有意な拡大傾向にない」とした。
同種訴訟は14の高裁・支部に起こされ、大阪高裁は今月24日の判決で合憲と判断。29日の名古屋高裁金沢支部判決は「違憲状態」と結論づけた。高裁・支部判決が出そろった後、最高裁が統一判断を示すとみられる。
