立命館大などを運営する学校法人立命館(京都市)が、学園の在り方を定めた立命館憲章の改正案で削除を検討していた「戦争の痛苦の体験を踏まえ」などの平和に関する文言を同様の表現で残す修正案をまとめたことが30日、関係者への取材で分かった。学校法人は取材に「さまざまな意見が出る中でより多くの人に受け入れてもらえるよう調整した」としている。
昨年7月に「将来志向の価値観の再構築」を目的に法人の理事会が改正検討委員会を設置。今年4月に戦争に関する文言を削除した改正案を学内に示した。だが、一部の学生や教職員らから文言の削除について「歴史的経緯や反省をうやむやにしている」などと反対の声が噴出。法人側は10月の創立記念行事に予定していた新憲章の公表を見送った。
修正案は、学園の起源や教学理念を説明した前半部分に現行の表現や歴史観を引き継ぎ「第2次世界大戦の痛苦の体験を踏まえ」「歴史を省みて戦争と暴力を否定し、民主的な学園運営の歩みを進め、平和の理想を希求し続ける」と加えた。
