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処分地選定、調査3回必要

06/01 08:30

 高レベル放射性廃棄物は、使用済みの燃料を処理する際に生じるものです。使用済み燃料から、再利用可能なウランやプルトニウムを取り除き、残った放射能レベルの高い廃液を、高温のガラスと混ぜて固体化したもののことを呼びます。

 高レベル放射性廃棄物は、数万年以上の非常に長期間の保存が必要になります。そのため、300メートル以上の地下深い場所で「地層処分」することが、現実的な処分の方法であるというのが、国際的に共通した考え方となっています。

 しかし、多くの方がご存じの通り、国内では最終的に地層処分する場所がどこになるのか決まっているわけではありません。その一方で、その処分地をどのように選ぶのかについて、3段階のプロセスを踏まなければならないことが「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」によって既に定められています。

 その3段階は、それぞれ文献調査、概要調査、精密調査と呼ばれます。

 大まかには、1つ目の文献調査は、その地域の地層に関する文献や過去のデータを細かく調べる机上の調査、2つ目の概要調査は、実際の地層のボーリング調査、3つ目の精密調査は実際の地下施設の調査や試験を指します。

 このようにプロセスは決まっているものの、簡単に決まるわけでは当然ありません。先日、佐賀県玄海町に対して、国が第1段階の文献調査を申し入れました。国が申し入れを行うのは、4年前に調査を受け入れた北海道神恵内村に続き2例目になります。

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