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誰もが活躍できる場を 茶話会、読み聞かせ...アイデア次々

07/11 09:55

故郷の伊達市保原町で地域おこし支援員として活動する佐藤さん

 故郷の伊達市にUターンし、地域おこし支援員を務める佐藤末実(まつみ)さん(44)は、地域のにぎわいづくりや地域振興、全世代が活躍できる場所づくりに奔走している。今年は新たに縫い物をしながら茶話会で交流する「ちくちく茶話会」を企画。小学生から90代まで幅広い年代が参加するイベントとして定着しつつあり、地域に交流の輪を広げる旗振り役となっている。

 「福島の人たちは穏やかな人が多い。その場所に身を置きたいと感じたことが大きかった」。佐藤さんは伊達市に戻った決め手をこう明かす。同市保原町出身の佐藤さんは高校を卒業後、仙台市の短大に進学。卒業後は就職や結婚、出産を経て、同市で絵本出版社の営業職として南東北地区を担当した。

 転機となったのは昨年5月。最愛の父公弘さんが71歳で亡くなったことだった。野球を愛し、地元で活躍した父を失った喪失感は大きかった。そんな中、同年9月に開かれたクラス会に参加した翌日、伊達市保原町高子地区で開かれたイベント「ハロハロマーケット」に参加した。

 「誰もが訪れたくなる、自分らしく過ごせる場の提供というコンセプトに胸を打たれた」。ちょうど2人目の娘が自立した時期だった。「自分も新しいスタートを切るタイミングだった。縁を無駄にはしたくない」と故郷に戻ることを決めた。

 伊達市の地域おこし支援員に応募し、昨年12月に委嘱された。取り組みの一つとして、今年1月から奇数月に「ちくちく茶話会」を開催。「同じ作業をしているのであっという間に打ち解ける。『若い人としゃべれて活力になった』という声を聞いてうれしかった」と話す。

 取り組んでみたいことは多い。「モモやカキの枝を染料とする草木染『DATEZOME』を広めたい。高子駅そばには来年春に認定こども園が開園する予定なので、それに合わせて絵本の読み聞かせのイベントも開催が決まっている」。アイデアと意欲は尽きない。

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