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美術館通し東北復興を…現代美術家・宮島達男さん、富岡に活動拠点

07/16 09:10

「時の海―東北」作品の模型。宮島さんは「最後は福島の人々と仕上げていきたい」と話す

 2027年を目標に、浜通りの海沿いに美術館を建設する考えを示す現代美術家の宮島達男さん(67)=茨城県=が12日、富岡町に新たな活動拠点を開室した。宮島さんは「美術館を通して東北の復興を手伝い、全国の人々が東北に気持ちを向け続けるようにしたい」と思いを示すとともに、自身の作品制作のルーツについても語った。

 宮島さんの作品は発光ダイオード(LED)のデジタルカウンターの「1~9」の数字がさまざまな速度で点滅する表現で知られる。原点は油絵を学ぶ東京芸大生時代、作品コンセプトを「変化し続ける」「あらゆるものと関係を結ぶ」「永遠に続く」として独自の表現を模索、デジタルカウンターに着目したことだ。

 作品コンセプトとして「生と死」が繰り返す仏教的な考えで、1~9を点灯させて「生」、0を点灯させず「死」を表現することとなった。

 宮島さんが建設する美術館では、東日本大震災の犠牲者の鎮魂と、記憶の継承、東北の未来づくりに向けた「時の海―東北」プロジェクトで制作する巨大作品を恒久設置する。


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