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原発用ウランは全量輸入

07/20 10:00

 原子炉で発電するために使用される核燃料は、ウランやプルトニウムからできています。ウランは地球上の地殻や海水中に広く存在し、オーストラリア、カザフスタン、カナダ、南アフリカ、アメリカなどが埋蔵量の多い国として有名です。

 その一方、日本でもいくつかの鉱床が知られています。鳥取県と岡山県の県境にある人形峠鉱床や、岐阜県土岐市周辺の東濃鉱床が有名です。

 1950年代の原子力利用の開始とともに、日本各地でもウラン鉱床の探索が始まりました。ウランは花こう岩の中に多く含まれる性質があり、花こう岩が豊富な中国山地で重点的に調査が行われたのです。

 その中でまず、岡山県倉敷市や鳥取県倉吉市でウラン鉱石が確認されました。その後、航空機を用いた調査や、車で山岳地帯を走り回って計測する調査が行われ、1955年に鳥取県と岡山県の県境の人形峠にてウラン鉱石の露頭(ウランが地表に露出している場所)が見つかります。そして、人形峠ではウランの採掘から精錬までの技術研究が行われていくことになりました。

 しかし、その後ウランの埋蔵量の問題や、国内でウランを精製するよりも、海外から輸入するほうが安価で安定しているといったことなど、さまざまな理由からウランの採掘は中止されました。現在、日本国内の原子力発電所で用いられるウランは全量が日本国外から輸入されています。

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