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デブリ取り出し作業きょう再開 福島第1原発2号機、東電社員立ち会いへ

09/10 07:25

 東京電力は9日、作業ミスで中断していた福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出し作業を、10日午前に再開すると発表した。9日までに作業ミスのあった取り出し装置につなぐパイプの復旧が完了し、作業手順の見直しなど再開に向けた準備が整ったと判断した。

 10日午前6時ごろからデブリ取り出しに使う装置に復旧の終えた5本のパイプを順番に接続し、装置を2号機原子炉格納容器側面の貫通部に徐々に挿入する。東電によると、前回の作業ミスを踏まえ、東電社員6人が原子炉建屋近くや遠隔操作室などで作業に立ち会う方針。9日には同社の小早川智明社長が福島第1原発で再開に向けた作業状況を最終確認した。

 試験的取り出しは当初8月22日に着手を予定していた。しかし、当日に取り出し装置を格納容器に押し込む5本のパイプの並び順が間違っていることが判明し、作業を中断していた。

 パイプの設置作業は7月下旬に協力会社の作業員が行い、作業開始まで約1カ月にわたりミスを見逃していた。東電は確認作業が現場任せになっていたことなどが要因とし、今月5日に東電社員の立ち会いや作業手順の見直しなど再発防止策を公表していた。

 試験的取り出しは格納容器内に押し込んだ装置の先端から金属製の爪形器具を垂らし、3グラム以下のデブリをつまんで回収する計画。東電は作業開始から回収まで2週間程度かかるとの見通しを示していたが、ミス防止の確認作業を徹底するため、回収完了までの期間は延びる可能性がある。

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