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給食費切り詰め横領 分限免職、学校職員が800万円

09/14 08:15

 県教委は13日、学校給食会計の口座から総額798万7262円の現金を引き出し、横領したとして、橘小(郡山市)の学校栄養職員(42)を分限免職にした。処分は同日付。職員は同校とは別の郡山市の小学校1校で2年間、給食1食当たりの食材費を切り詰めて経費を浮かし、使い込んでいた。

 県教委によると、具体的には鶏肉を使う際にもも肉ではなく、むね肉など安価な食材を選び、1年目は1食当たりの給食費310円を296円、2年目は330円を280円にして経費を節減。学校給食会計の口座から計32回にわたり現金を引き出した。給食を食べていた児童や職員への健康被害は確認されていない。

 職員は2016年から公立校計4校に勤務し、学校給食用の食材の選定や購入、会計事務を担っていた。横領した金銭については旅行代や飼い犬の飼育費用、飲食代に使っていた。

 県教委の聞き取りに横領を認め「いろいろな方に迷惑をかけて大変申し訳ない」と話したという。既に全額を返済した。現在の任用期間前の事案のため懲戒処分にできないが、県教委は学校栄養職員として適格性を欠くとして、分限免職とした。退職金は支払われる。

 通常は学校の管理職が学校栄養職員に出納簿を作成させ、中身を確認しなければならなかったが、2年間出納簿を一度も作っておらず、ずさんな管理体制も浮き彫りになった。食材を提供する「学校給食会」への食材費や市の補助金の返納分など計200万円以上が未払いだった。後任の学校栄養職員が業者などへの未払いがあることに気づき、不正が発覚した。

 県教委は、出納簿の作成や会計の点検で指導が不十分だったとして、当時、職員を監督する立場にあった50代男性校長を3カ月の減給10%、50代男性教頭を1カ月の減給10%とする懲戒処分とした。

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