【6】職人の思い、時を超えて 旅する書道家・千葉清藍

03/07 15:00

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海老根伝統手漉和紙の工房でコウゾを煮るための窯をたく私。書道具を作る工程は多くの手間が掛かっていることを知り、感謝の気持ちが芽生えた

 「道具に恥じない書を書く」 書道具を深く知るために始めた「にっぽん書道の旅」は、いつも私の気持ちを引き締めてくれる。 その旅には、東日本大震災の翌年から本格的に出掛けるようになった。すずり産地の宮城県石巻市雄勝町を訪ねた時は、津波が運んだ泥の中から掘り出された「被災すずり」で墨をすった。すずりの重厚さに「雄勝硯(おがつすずり)」600年の伝統を感じながら筆を執った。 奈良県で墨、広島県で筆につい...

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