相馬双葉漁協は1日、今季の沖合底引き網漁を開始した。2カ月の禁漁期間を経て、漁船23隻が計43トンを初水揚げした。昨季の初日を14トン上回る好調な出足に港は活気づいた。漁期は来年6月まで。
福島県沖の底引き網漁は資源保護のため7~8月は禁止されている。解禁初日は深夜に出航した漁船が午前11時ごろから相馬市の松川浦漁港に戻り、マサバやスルメイカ、ヤナギダコなど多彩な「常磐もの」を次々と水揚げした。競りでは、仲買人たちの威勢のいい声が響いた。
同漁協は2029年シーズンまでに、水揚げ量を東京電力福島第1原発事故前の75%(3570トン)に回復させる目標を掲げる。昨季の実績は3184トン(前季比1%増)だった。理事の高橋通さん(70)=県機船底曳網漁業組合連合会長=は「(漁業に影響を与えてきた)『黒潮大蛇行』の終息もプラスに働くはず。資源管理を徹底しながら、かつての豊かな漁場を取り戻したい」と話した。