福島市で訪問介護事業所を運営する一般社団法人ｆｕｋｕｃｉｅｒ（ふくしぇる、本部・会津若松市）が新たに介護タクシー事業に参入した。介護保険の「適用外」となるサービスも含め、きめ細かに生活を支援する法人特有の事業に需要の高い介護タクシーが加わり、ワンストップでのサービス提供が可能になった。
法人は２０１８年、介護保険では手の届かない日常生活の困り事を支える「介護保険外」サービスの提供を開始。２３年には訪問介護事業所を構え、介護保険が適用される訪問介護での掃除や洗濯、料理といった生活援助に加え、買い物の代行や庭木の手入れなど「介護保険外」も組み合わせたサービスを提供している。
その中で「利用者の移動手段」が壁になる場面が多かったという。需要に応えようと、福島市の訪問介護事業所を拠点に５月に始めたのが「介護タクシーふくしぇる」だ。車椅子やストレッチャーに対応した車両１台を常備し、運転手も確保。介護福祉士が同伴し、訪問先での介護や家事などの生活補助も必要に応じて受けられる体制を整えた。
事業所に併設することで介護保険の「通院等乗降介助」も活用できるほか、訪問介護の対象者以外も利用できるようにした。小林しのぶ代表理事は「買い物の付き添いや透析患者の送迎など、利用者の『困った』を少しでも解決したいと考えた。運転を家族に心配されている人にぜひ利用してほしい」と呼びかけている。
介護タクシーは初乗り７００円から。問い合わせはふくしぇる（電話０２４・５７３・９７０７、平日午前８時半～午後５時半）へ。
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