全国の専門高校などで学ぶ生徒が学習成果を披露する「第35回全国産業教育フェア福島大会(さんフェア福島)」は最終日の26日、郡山市のビッグパレットふくしまなど県内4会場でロボットの技術や観光ビジネスのアイデアを競う各種大会が開かれた。生徒や企業関係者らは大会を通じ、産業教育が持つ魅力や可能性を再確認した。
全国高校ロボット競技大会には県勢4チームを含む38都道府県72チームが出場。開発したロボットを使って制限時間にアイテムを所定の位置に置くといった繊細な作業が求められる競技で、動力やボールをつかむアームの仕組みを工夫するなど各チームの技術力が光った。
出場した生徒同士の交流会も開かれ、準決勝進出校のロボットの動作を間近で確認したり、質問し合ったりして知見を深めた。出場した清陵情報高の生徒(情報電子科3年)は「壁に触れたまま360度回転できるロボットを見て、壁に当たったまま横移動できたら安定性も増すと思った」とロボット開発のヒントを得た様子だった。
また、観光ビジネスアイデアコンクールでは、福島商高の生徒が葛尾村で養殖されたバナメイエビの脱皮殻を使って開発した商品や旅行プランを発表。震災と原発事故から復興へと前進する本県の魅力を伝えた。
総合閉会式では、生徒実行委の安斎華梨奈副委員長(福島東稜高3年)が「専門教育を学ぶ私たちの日頃の学習成果を多くの人に伝えることができ、大きく成長できた」とあいさつ。鈴木竜次県教育長が産業教育のさらなる発展を願い、次期開催地の甲斐直美佐賀県教育長に大会旗をつないだ。
