「ここらへん一帯にエゴマを植えるの」。浪江町加倉の国道114号沿いに広がる約10ヘクタールの農地を指す石井絹江(69)の声が弾んだ。 町役場に約40年勤め、あと1年で定年という2011(平成23)年3月、東日本大震災が起きた。石井は、東京電力福島第1原発事故による全町避難の中、津島診療所の職員として住民を支え、12年に退職した。 「町に恩返しがしたい」。退職後、仮設住宅で暮らす町民に弁当を配る...
この記事は会員専用記事です
残り2,024文字(全文2,224文字)
続きを読むには「みんゆうプラス」の会員登録もしくは
「福島民友新聞購読」の申し込みが必要です。