イスラエルと親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘が激化するレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機2機が3日朝、近隣のヨルダンとギリシャに向けて、空自美保基地(鳥取県境港市)を出発した。防衛省が明らかにした。外相からの要請を受け、防衛相が9月27日に派遣を命じていた。
自衛隊の部隊などは現地情勢を見ながら、両国で退避に向けた準備を進める。レバノンには50人程度の日本人が滞在。退避を実施する場合は防衛相が新たな命令を出し、レバノン入りしたC2に邦人を乗せて近隣国に運び出す想定だ。
防衛省によると、今回の邦人退避では、空自の航空支援集団司令官を指揮官とする統合任務部隊を約500人態勢で編成。飛行ルートに位置する各国と、領空通過などの調整をしていた。
自衛隊機や政府専用機による邦人退避はこれまで計8回実施。昨秋にはパレスチナ情勢の悪化でイスラエルから2回輸送した。
自衛隊法は、外国での騒乱や災害などの緊急事態に際し、邦人の安全確保のため自衛隊を派遣し、輸送することを認めている。