憧れの人が放つ一言が、途方もない影響力を持つことがある。イタリアの幻想文学作家カルヴィーノが宇宙の誕生を題材に書いた短編の主人公は、138億年前のビッグバンより前の状況を語り出す。全てはただ一点に存在していたと― ▼いわばみんな、すし詰め状態だった。ある日、誰もが憧れる存在だった女性がつぶやく。「ほんのちょっと空間があれば、皆さんにおいしいスパゲッティをこしらえてあげるのに」 ▼その瞬間、見たこ...
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