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福島県内被爆者「平和の重みかみしめて」 ノーベル平和賞の授賞を受け

10/12 08:30

 ノルウェーのノーベル賞委員会は11日、2024年のノーベル平和賞を日本全国の被爆者らでつくる日本原水爆被害者団体協議会(被団協、東京)に授与すると発表した。

 ノーベル平和賞の授賞を受け、県内の関係者からも喜びの声が上がった。

 県原爆被害者協議会で事務局を務める福島市の池沢恵美子さん(83)は「受賞は本当に良いことだと思う。二度と核兵器が使われてはならない。戦争と核兵器のない世界になってほしい」と願った。

 池沢さんはほとんど記憶がないが、4歳の時に長崎で被爆。結婚を機に本県で暮らし始め、事務局を担ってきた。「県被爆協を立ち上げた故山田舜さん(元福島大学長)や星埜惇さん(同)と喜びを分かち合いたい」とし、「世界中で戦争や紛争が絶えない中で喜んでばかりいられない。平和の重みをもっとかみしめないといけない」と話した。

 父が広島で被爆した矢祭町長の佐川正一郎さん(72)は「これまでの活動が認められたということ。とても意義深いことだ」と語った。

 佐川さんの父安正さんは、1945年2月、陸軍船舶特別幹部候補生として志願入隊。原爆が投下された2日後の8月8日、広島に入り、15日まで人命救助や警備に当たったという。佐川さんは「今後も活動を続けていくことで、世界の平和につながっていくと思う」と話した。

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