いわき市消防本部は14日、同本部の救急救命士が医師の指示を受けずに心肺停止状態の傷病者に、静脈路確保と薬剤投与の特定行為をしていたと発表した。救急救命士法には特定行為をする場合、医師の指示を求めることが定められている。この傷病者は搬送先の病院で死亡が確認されたが、医師の所見で特定行為に問題はなかったという。
消防本部の聞き取りに、この救急救命士は今月2日に救急出動した際、市医療センターにつながる携帯電話を救急車に置き忘れ、一刻を争うため家族に特定行為をすることを説明して処置に当たったと話している。この救急救命士は10年以上の経験があった。
消防本部は今後、市保健所や市医師会など関係機関と検証会を開き、救急救命士の処分などを検討する。また全救急救命士を対象に、的確な判断と行動をするために定めたガイドラインの順守を指示した。研修会も開き、再発防止を図るとしている。