24日午前7時ごろ、福島県郡山市西田町芹沢の住宅で「90代の男性が頭にけがをしている」と、郡山地方消防本部から郡山北署に通報があった。同署によると、23日午後8時ごろ男性方に男が押し入り、拳銃のようなものを突き付け、現金約3万円を奪って逃走した。男性は頭や顔にけがをしているが命に別条はない。同署は強盗致傷事件とみて、男の行方を追っている。
同署や捜査関係者によると、逃げた男は40~60代で身長170センチくらいの中肉中背。上下黒っぽい服装をしていた。拳銃が発砲された形跡はなく、発見されていない。男性は1人暮らし。当時は就寝前で部屋に1人でいた。殴られたようなけがをしており、室内に入ってきた男から複数回にわたって暴行を受けたとみられる。同署は男の逃走経路などを調べている。
男が男性宅に滞在したのは比較的短時間とみられ、住宅内に荒らされた様子はなく、ほかに取られた物はなかった。男性は24日朝に民間の緊急通報システムを通じて消防に通報した。
郊外の集落、住民に衝撃
郊外の集落に衝撃が広がった。付近に住む60代男性は「午前6時前に救急車が通る音で気が付いた。23日に(男性に)頼まれたジャガイモを届けたばかりだった」と驚いた様子だった。
現場はJR郡山駅から北東に約6キロで住宅や農地が点在する閑静な地域。60代女性は「(男性が搬送される)救急車の様子を見に行ったら隊員から話ができる状態と聞かされ安心したが、こんな静かな地域で強盗なんて」と困惑した表情を見せた。70代女性は「最近は近くで大きな犯罪があったと聞いたことはなかった」とし、「この辺は隣近所が離れている。最近は家の修繕などを勧める来訪者もいて心配になる」と話した。