自治体の判断で市街地などに出没したクマを猟銃で捕獲・駆除する「緊急銃猟」の運用が9月に始まったのを受け、福島県相馬市は3日、緊急銃猟を想定した訓練を同市山上で初めて実施した。今年はクマの出没が多いことから、関係者が万一の事態に備えた。
市と県猟友会相馬支部、相馬署などから約40人が参加。民家の軒下に体長1.2メートルのツキノワグマが居座っている―との想定で実施した。
まずは山上公民館での机上訓練で手順や役割を確認。その後の実地訓練では、現場近くに設置した対策本部で伊東充幸市産業部長が指揮を執り、猟友会員に証票となる腕章が手渡された。住民に危険が及ばないよう避難誘導や交通整理を行い、安全を確保した上で、猟友会員がクマに近づき模擬発砲をした。
伊東部長は「市、猟友会、警察の3者が連携を密に取ることで市民の安全を守っていきたい」と話した。