リニア、整備と環境保全両立前提 報告遅れに苦言、静岡県知事

06/12 20:39

 5月の静岡県知事選で初当選した鈴木康友知事が12日、共同通信のインタビューに応じ、リニア中央新幹線の静岡工区の認可について、整備と環境保全との両立が前提になるとの姿勢を改めて示した。水資源への影響を懸念する声が強いことを踏まえ「100%賛成を得られることはない。あらゆる環境が整った段階で、最終的には政治家としての決断も必要になる」と述べた。

 岐阜県恵那市のトンネル掘削工事現場にある観測用井戸で基準値を超える有害物質が検出されながら、同県への報告が遅れたJR東海の対応に「国家プロジェクトを動かしているわけだから、うっかりミスでは済まない。緊張感を持ってほしい」と苦言を呈した。

 リニア整備最大の利点として、県内駅への東海道新幹線の停車本数増加を挙げた。「どのくらい増やせるか、JR東海から具体的な答えを引き出さなければならない」と話した。

 リニア開通に合わせ、静岡空港に新幹線新駅の整備を求めていることには「静岡空港は(首都圏での)大規模災害時に成田、羽田両空港の代替機能を発揮する」と強調した。

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