新型コロナウイルスに感染して飲み薬を処方してもらう人の割合が4月以降、10%程度に低下したことが、医療従事者向けサイトを運営する「エムスリー」の調査で14日、分かった。治療薬代に対する公費支援が終了し、比較的高額な支払いに処方を見送る人が増えたとみられる。
国内の飲み薬は現在、塩野義製薬の「ゾコーバ」、MSDの「ラゲブリオ」、米ファイザーの「パキロビッド」の3種類。エムスリーが診療情報データベース「JAMDAS」を基に調べた。
治療薬3種類合計の処方率は、今年3月は15・0%だったが、4月に10・5%、5月は10・6%と低下している。
コロナ治療薬の自己負担は3月末まで最大9千円だった。公的支援が終わったことで、ゾコーバの場合、3割負担だと1万5千円程度の支払いが求められるようになった。
ラゲブリオとパキロビッドの負担額は3万円近くとさらに高額だ。3月に45・0%のシェアだったゾコーバは5月は60・8%と伸びており、相対的に安いゾコーバの処方を希望する患者の割合が増えたようだ。