水産庁は14日、南西諸島周辺でクロマグロの産卵シーンの撮影に成功したと発表した。群れで泳ぎながら一斉に受精させたり、海面付近で水しぶきを上げたりする様子を動画に収めた。自然環境での産卵映像は世界的にも貴重だといい、観察実績が積み重なれば不明点が多い生態の解明につながると期待される。
4日に調査船「開洋丸」がクロマグロの資源調査に訪れた海域で、産卵に偶然遭遇した。すぐにカメラを構え、メスを先頭に複数のオスが弧を描いて追う姿を捉えた。これまでも養殖場や水族館での撮影例はあるが、担当者は「広いスペースがある海でも同じ動きをしていて驚いた」と話す。