温泉や工場の排熱を特殊な吸着材にためて農家に配送し、ビニールハウスなどで利用する「地域熱循環システム」の実証実験が今年秋、岩手県一戸町で始まる。吸着材は再利用でき、効率的なエネルギー利用が期待できる。全国的にも珍しい取り組みで、地域の脱炭素化を後押ししそうだ。
岩手、宮城両県にまたがる北上山地は次世代大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の建設候補地。加速器から排出される熱を回収し、有効利用するための研究が産官学で進められてきた。
東日本機電開発の水戸谷剛社長は「実験がうまくいけば参加自治体を増やし、岩手県全体をカバーするシステムをつくり上げたい」と話している。