宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国産新型ロケット「H3」の3号機を、30日にも種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げる。1、2号機は試験機の位置付けだったが、実用段階に入る。災害状況の把握に使う地球観測衛星「だいち4号」を目標の軌道に届け、今後の安定した運用につなげられるか注目される。
H3はJAXAと三菱重工業が開発した2段式の使い捨て液体燃料ロケットで、現在の主力「H2A」の後継機。昨年3月、1号機は打ち上げに失敗し、搭載した衛星「だいち3号」も失われた。今年2月に成功した2号機には、当初予定しただいち4号ではなく模擬衛星などを載せていた。
H3は世界で需要が拡大する衛星打ち上げビジネスへの本格参入を狙い、年間6機の打ち上げが目標だ。積み荷に応じてエンジンの数を変えることもでき、コスト削減も目指している。今回は実績がある2号機と同じ機体構成で、主エンジン2基と補助のロケットブースター2基を使う。
搭載するだいち4号は2014年から運用中の「だいち2号」の後継機。