【ワシントン共同】米連邦最高裁が人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェード」判決を覆してから2年となる24日、バイデン大統領は声明を発表し、大統領選でトランプ前大統領が返り咲けば全米で中絶の権利が奪われると警告した。トランプ氏が在任中に最高裁を保守化させたと指摘し「悪夢の責任がある」と批判した。
最高裁の判断以来、保守的な州で進んでいる中絶規制は大統領選の主要な争点の一つ。女性が選択する権利を訴える民主党のバイデン氏は27日の候補者討論会で、共和党のトランプ氏を直接攻撃する構えだ。
バイデン氏は声明で「各州でトランプ支持者が過激で危険な中絶禁止法を成立させ、女性の生命を脅かし、医師を収監すると脅迫している」と非難。トランプ氏が全米で中絶を禁止しようとしているのは明らかだとし「絶対にさせない」と強調した。
トランプ氏は22日、中絶に反対する保守派の集会で、在任中に最高裁に保守派判事3人を送り込み中絶規制の「成果を上げた」とアピールした。