国土交通省は26日、長崎発中部行き全日空372便ボーイング737が22日に和歌山県上空を飛行中、与圧系統の不具合のため、機内の気圧が異常に低下したトラブルがあったと明らかにした。乗客と乗員計11人が体調不良などを訴えた。国交省は26日、事故につながりかねない重大インシデントに認定。運輸安全委員会は航空事故調査官2人を指名した。
国交省と全日空によると、372便は全日空グループのANAウイングスが運航し、乗客98人、乗員6人だった。22日午前10時半ごろ、和歌山県みなべ町付近の高度約7600メートルで気圧が低下し、緊急事態を宣言。約3千メートルまで降下した。その後、気圧は正常の範囲になり、宣言を解除して、午前11時ごろ、中部空港に着陸した。
気圧が低下したため、警報が作動した。気圧は、酸素マスクが自動展開するまでは下がっていなかったが、念のため乗員が手動で酸素マスクを下ろした。
全日空は「お客さまや関係者に深くおわびする。調査に全面的に協力する」としている。